スタートアップへの転職前後での、年収、自由度、家庭等の変化のリアル

スタートアップ転職に伴う年収低下の懸念はただの杞憂?

ところで、大企業人材がスタートアップへ転職するうえでの大きな懸念材料の一つに年収低下があるのではないか。しかし、実際のところ年収が下がった人は、52%。この数字をみて、多いと感じられるだろうか?転職となればどこへ行こうとも年収増減の可能性はあるものだ。つまり、この数字を見る限りは、スタートアップ転職が必ずしも年収低下のリスクが高いキャリアチェンジという訳ではないといえる。さらに、スタートアップ転職で年収が下がった人は「仕事は各段に楽しくなった」と答える人が殆どで、「仕事やプライベートの充実度が下がった」と言う人は10人に1人もいない。

「年収は下がったが仕事面では裁量がとても大きくなり、意思決定もできる立場になったので非常に充実している

(30代、大手証券会社→コンピューター・ハードウェアスタートアップ)

「目先の年収は下がることもあるが徐々に戻るし、新たな仕事や人との出会いは一生ものだと思う。

(30代、大手商社→コンピューター・ソフトウェアスタートアップ)

他方で、年収に関してポジティブな意見も多数見られた。

「実力主義のため昇進昇格のスピードが早く年収が大幅にアップ

(30代、大手金融→ITサービス系スタートアップ)

「月給は低いかもしれないが、ストックオプションなどのインセンティブ報酬によっては大企業の生涯年収を数年間で得られる可能性もある

(40代、大手IT企業→医療系スタートアップ)

「大企業での経験を買われ再びスタートアップに転職したところ、年収は元々いた大企業より300万円上がった

(30代、大手製薬会社→医療系スタートアップ)

スタートアップ転職に伴う
家族・友人との人間関係悪化もただの杞憂?

また、スタートアップ転職は家族がいると踏み出すことができなかったり、様々な理由から家族・友人との人間関係が悪化することを懸念する人もいるだろう。しかし、家族友人との人間関係が悪化した人は、たったの5%で、むしろ人間関係が良くなったという意見が多数である。

「自由な働き方ができるため、家族や友達と過ごす時間が増えた。

(30代、大手メーカー→コンピューター・ハードウェアスタートアップ)

「転職して年収は下がったが、大企業の全国転勤に家族を巻き込まずに済んだのはよかった。

(50代、大手メーカー→コンサル系スタートアップ)

キャリアチェンジのリスクを踏まえて、周りの人に理解を得る努力も必要なようだ。

「家庭環境も検討要素に含める必要があったので、少し選択肢が狭まってしまった。家族への事前に転職意向を説明したうえで、スタートアップで働くことになった。

(30代、大手コンサル→ビジネスサービススタートアップ)

スタートアップ転職経験者の意見をみると、転職する際に重要なのはお金よりリスクより「自分に合っているか否か」。先人の経験談を踏まえ、まずはスタートアップ転職について知る・考えてみることをはじめてみてはどうか。

また、唯一そもそも転職しなければよかったと回答した人は、転職前のスタートアップとのコミュニケーション不足を原因に挙げており、そこに気を付けることでさらにリスクを低減できるだろう。

「自分の手で事業を成功させたいと思いスタートアップ転職を決意したが、入社前に経営陣とコミュニケーションをとる時間が少なく、経営者との相性や経営スタイルを正しく判断できていなかった。

(40代、EC→メガベンチャー)
2021年5月大企業からスタートアップへの転職経験に関する調査